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「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)」

CULTURE / MOVIE
第19回東京フィルメックス開幕
映画祭受賞の注目作が続々登場

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「アイカ」

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「マンタレイ」

19回目を数える今回、まずは有名海外映画祭でその実力が認められた気鋭の新作に目が行くだろうか。とりわけコンペティション部門には顕著で、カンヌ映画祭最優秀女優賞(サマル・エスリャーモヴァ)を獲得した「アイカ(原題)」、ヴェネチア映画祭「オリゾンティ部門」最優秀作品賞の「マンタレイ」、ロカルノ映画祭金豹賞の「幻土(げんど)」、トロント映画祭の「プラットホーム」部門最優秀作品賞の「幸福城市」、ウォン・カーウァイのプロデュースでヴェネチア映画祭「オリゾンティ部門」脚本賞の「轢き殺された羊」、そしてベルリン映画祭「フォーラム部門」国際批評家連盟賞の4時間大作「象は静かに座っている」。ほかにも、ロカルノ映画祭で上映された「シベル」「自由行」、カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」などがあり、ここから最優秀作品が選ばれるとなれば、これはちょっとしたアジアの才人たちによるバトル・ロワイヤル。賞レースの行方を楽しみに鑑賞を重ねるのも悪くない。

人気の特別招待部門でオープニングを飾るのは「川沿いのホテル」。おなじみ韓国の名手ホン・サンスの最新作であり、ロカルノ映画祭の最優秀男優賞受賞作。ホン・サンスにはもう一本の新作「草の葉」も披露される。クロージングに上映されるジャ・ジャンクー監督の新作「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)」は早くも傑作の声も。

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「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)」

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「あなたの顔」

同じくフィルメックスの常連イスラエルのアモス・ギタイによるドキュメンタリー「ガザの友人への手紙」はパレスチナ問題を考える意味で存在意義が大きい。カンボジア作品「名前のない墓」にはクメール・ルージュが与えた深い傷が突きつけられ、フィリピン作品「アルファ、殺しの権利」ではマニラの麻薬戦争の実態が届く。一方、さきのヴェネチア映画祭でお披露目されたツァイ・ミンリャン監督作品「あなたの顔」では音楽を坂本龍一が担っていることも話題に上った。どんな競演がかなっているのか、興味は尽きない。

特別招待作品には過去作品のデジタルリマスター版も用意されており、そのティエン・チュアンチュアンの「盗馬賊」は1991年のリバイバル公開以来のお目見え。1980年代にチェン・カイコー、チャン・イーモウらと共に中国映画の方向を変えた先人の瑞々しい力作は、隆盛を誇る中国映画界の現在を考える意味でも、あらためて見ておきたい一本だ。

特集上映にはアミール・ナデリ作品4本が並んでいる。1970年代に発表された中短編「ハーモニカ」「期待」の2本は、この機会を逃すとなかなか見られないのではないか。しかも、ジャクリーン・ビセットを招いた最新作「マジック・ランタン」、脚本担当作品「華氏451」まである。後者は日本では既にCSで放映済みの作品だが、かのレイ・ブラッドベリの名作SF小説をどう料理したのか、その成果を銀幕で確かめるのもオツだろう。

Written by:賀来タクト


A PEOPLEでは、11月17日に開幕する「第19回東京フィルメックス」の特別招待作品4作品、コンペティション全10作品のレビューを11月18日より速攻で順次上げていく。

第19回東京フィルメックス


A PEOPLE 第19回東京フィルメックス 速攻レビュー

<特別招待作品>
「川沿いのホテル」
「あなたの顔」
「草の葉」
「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)」

<コンペティション>
「夜明け」
「象は静かに座っている」
「幻土(げんど)」
「幸福城市」
「轢き殺された羊」
「マンタレイ」
「シベル」
「自由行」
「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」
「アイカ(原題)」


昨年の東京フィルメックスで上映
「台北暮色」11月24日よりロードショー