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福島県 朝日座


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福島県 朝日座

住所:福島県南相馬市原町区大町1の120
※不定期で朝日座を楽しむ会の集会やイベントが開かれていますが、普段は入場できません。

朝日座を楽しむ会
高平大輔

朝日座の誕生は大正時代にさかのぼります。

地元の有志が組合をつくって1923(大正12)年、原町区の中心街に芝居小屋を兼ねた施設「旭座」を開業しました。

当時は舞台や芝居を中心に行われていた。映画全盛期だった52年には、名称を「朝日座」と変え、常設の映画館になると大勢の観客でにぎわいを見せました。

メジャーな日本映画から子供向けアニメ、成人ポルノ、今で言うミニシアター系のフランソワ・トリュフォー 、ヴィム・ヴェンダース 、エミール・クストリッツァなど幅広く上映していました。

しかし、テレビやビデオの普及によって、映画業界全体で観客の減少が続くと、89年には仙台市といわき市の間に残る最後の映画館になり、そして91年9月「シザーハンズ」「ホーム・アローン」の上映を最後に、惜しまれながら約70年の歴史に幕を下ろしました。

そうした中で、地域に愛されてきた映画館を後世に語り継ごうと、地元有志でつくる団体「朝日座を楽しむ会」が2008年に発足。

朝日座を管理し、市民の交流の場として小さな上映イベントなどを行ってきました。

しかし2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。
朝日座では35mm映写機2台が転倒しましたが、建物全体としては軽微な被害にとどまりました。

その後、福島原発事故の影響により「朝日座を楽しむ会」会員の多くが住む旧原町区の住人も避難を余儀なくされました。

避難生活中の時期にも復興無料上映会が開催され、沢山のお客様が朝日座へ。
震災後の晴れない心に娯楽が明かりを灯しただけでなく、被災した住民同士の再会の場としても笑顔があふれました。

震災以降は全国の有志の方々や支援の形として無料の映画上映会が開催されたり、復興関連のイベントが継続的に行われました。

そんな中、2014年には建築関連の仕事をする有志の方々が朝日座を有形文化財に登録する動きを進めてくれたりもしました。
文化遺産オンライン 朝日座

震災から10年が過ぎ、朝日座に映画のような出来事が舞い込んできました。
福島中央テレビさんが朝日座を舞台にドラマと映画を制作してくれました。
「浜の朝日と嘘つきどもと」

朝日座は実名のままに登場し、どこか実際の歴史と似た様な雰囲気もあります。
映画と映画館を愛する人達の物語、是非ご覧になって頂けたら嬉しいです。

震災時に30キロ圏内と言われた場所にある閉館したボロボロの映画館「朝日座」には、沢山の街の人の思い出と映画の歴史が詰まっています。


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