俳優として真の実力を持つ人を発掘
APEOPLEが企画・宣伝を行った「長谷川和彦 革命的映画術」。
その主催を行ったパブリックアーツが本年12月27日に「俳優映画祭」を開催する。
パブリックアーツの谷口広樹は語る。
「私たちは、“市民がエンタメを盛り上げる”をコンセプトに国内外で活動しています。大手メジャー企業の作り方だけでなく、第二の出口を作ることを模索しています。 映画祭は映画上映会・俳優トークショー・演技発表会を通して俳優とは何かを考える構成となっています。そして、事務所、年齢、国籍、業界を問わず俳優として真の実力を持つ人を発掘し、広めます。そのことで日本の俳優文化を向上させます。
実写映画はやはり俳優が命です。牧野省三がスジ、ヌケ、ドウサと言ったが、仮にスジやヌケが駄目な映画でも俳優の演技で一発逆転した映画はいくつもあるからです。それなのに、今の日本映画にそれが起きません。素晴らしい俳優はいるにも関わらずです。それはキャスティングに問題があるからだと考えています」
これまでにないコンセプトの映画祭となりそうだ。
「事務所の力によって、キャスティングが決められる日本の芸能界の現状を憂い、この映画祭を開きます。本来、俳優とは事務所の操り人形のようなタレントではなく、“人が存在する”ことを考える哲学者に似た存在であるはずです。
俳優とは“人に非ざる優れた者”と読めるように、この国の神事を担うなど、本来は崇高な存在でした。が、いつしか、“河原役者”として卑下されるようになり、人々は俳優の存在を低く見るようになりました。
だが、この国を物語れるのはこの国の俳優なのです。俳優の顔、仕草、それ自身が国や民族の象徴として働くのです。俳優はそれだけ崇高な存在です。だからこそ俳優を軽んじる国は文化的、国家的危機に必ず陥るでしょう。
この映画祭はそのことをもう一度、振り返り、“俳優”とは何かを考える一日です。そして、長年修練してきた貴方の実力を一年のしめくくりにぜひ発表していただきたいのです。今の映画界は沢山の大人たちが寄り集まって子供映画を作っている現状です」
映画界・エンタテイメント業界への新たな一歩を刻む映画祭、注目していきたい。
12月27日(火)、武蔵野スウィングホールにて開催