作家主義 ロウ・イエ
本書は、日本ではロウ・イエ監督の初めての書籍になります。ロウ・イエ監督は5年前、日本の雑誌のインタビューでこう語っています。
「何か不幸な出来事が起きてしまった場合、それを忘れずに記憶に留めておくことが重要」
ロウ・イエ監督は、まさにそんな作品を撮り続けていると思います。それは、単なる社会的な映画ではなく。テーマ主義に陥った人間ドラマでもなく。ロウ・イエ監督は、冷徹な時代の移り変わり、その残酷な運命の中で、力強く生きる人々の息遣いにも似た、愛と憎しみをリアルに描いていく。映像だからできる表現、その圧倒的な映像美で。私たちは、ロウ・イエ監督の作家性、映像芸術家としての創造の秘密(私たちにとってもちろん幸福なことであります)を、まさに記憶に留めておきたいと願っています。
過去作ごとに行われたインタビューを採録。最新作「サタデー・フィクション」に合わせて行われた、ロウ・イエ自身が現在を語るオリジナルのロング・インタビューを掲載。脚本家のメイ・フォン、女優の鈴木杏との対談。プロデューサーのマー・インリーが書き下ろした「ふたりの人魚」から「サタデー・フィクション」、過去から現在までのその軌跡。そして、評論家、ライターによる全11作品の完全レビューをお届けします。
目次
- INTRODUCTION
- 「夢の裏側」より
溝樽欣二
- INTERVIEW
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サタデー・フィクション
構成 児玉美月
- シャドウプレイ
- 二重生活
- パリ、ただよう花
- スプリング・フィーバー
- ふたりの人魚
- DIALOGUE
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ロウ・イエ × 鈴木杏 二重生活
構成 金原由佳
- ロウ・イエ × メイ・ファン スプリング・フィーバー
- SPECIAL
- 馬英力〔マー・インリー〕
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「ふたりの人魚」「サタデー・フィクション」まで
――私とロウ・イエ監督の二十年文 馬英力〔マー・インリー〕
企画・翻訳 樋口裕子 - 「シャドウプレイ」の時代と「夢の裏側」から見た中国の映画制作
文 樋口裕子
- REVIEW
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サタデー・フィクション
文 金原由佳
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シャドウプレイ
文 小橋めぐみ
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ブラインド・マッサージ
文 夏目深雪
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二重生活
文 夏目深雪
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パリ、ただよう花
文 児玉美月
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スプリング・フィーバー
文 児玉美月
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天安門、恋人たち
文 八幡橙
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パープル・バタフライ
文 相田冬二
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ふたりの人魚
文 八幡橙
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危情少女 嵐嵐
文 孫小寧
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デッド・エンド 最後の恋人
文 孫小寧
- HISTORY
- ロウ・イエ その軌跡
- 作家主義 ロウ・イエ
- 判型 A5変型
- 頁数 176ページ
- 定価 2,420円(本体:2,200円+税10%)
- ISBN 978-4-909792-45-7
- Cコード C0074
発行:A PEOPLE株式会社
販売:ライスプレス
発売:2023年10月27日(金)よりアマゾンほか一部書店にて発売
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