作家主義 相米慎二
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生。その2日前、9月9日、映画監督・相米慎二が逝った。あれから20年以上の時が過ぎ‥‥。2005年、第6回全州(チョンジュ)映画祭(韓国)で行われた特別企画「相米慎二回顧展」の上映で衝撃が流れた。そして、2021年、アジアでの再評価の波が来る。韓国映画「はちどり」は、本国はもちろん日本でも異例のヒットを記録。数年前には、台湾のエドワード・ヤン監督が手がけた「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」のリバイバル上映が大成功を収めた。デジタルの時代、コロナ禍の時代、新たな映画の方法が求められている。アジア映画がもつ、荒々しさ、凶暴性。それを考えたとき、作家・相米慎二という名前が浮かぶ。アジアの作家や俳優、評論家がいま、相米慎二を改めて発見しようとしている。いま、日本に相米慎二のような作家は存在しているのだろうか。その、荒々しさ。その、深さ。その、美しさ。その、真実。本書は、「アジアが見た、その映像世界」と題し、相米慎二のすべてを伝える。デビュー作「翔んだカップル」はじめ全14作のレビュー。北京晩報人文週刊編集者・文化記者の孫小寧、福本淳監督、行定勲監督、俳優の柄本佑らが、それぞれ国内外から見た相米慎二を語る。
目次
- はじめに
- アジアが見た、その映像世界~中国
- 監督論。
- 榎望
- 町田博
- 相米チルドレン 1
- 福本淳
- 作品レビュー
- 「翔んだカップル」
- 「セーラー服と機関銃」
- 「ションペン・ライダー」
- 「魚影の群れ」
- 「ラブホテル」
- 「台風クラブ」
- 「雪の断熱-情熱-」
- 「光る女」
- 「東京上空いらっしゃいませ」
- 「お引越し」
- 「夏の庭 The Friends」
- 「あ、春」
- 「風花」
- 「空がこんなに青いわけがない」
- 相米チルドレン2
- 今井孝博
- 柄本佑
- 行定勳
- 相米チルドレン3
- 佐々木尚
- アジアが見た、その映像世界~韓国
- DVDの話。
- 金原由佳さんのエッセイ
- 相米慎二